リーダーシップを共有する

リーダーシップを共有する

Clock Icon2024.05.04
こんにちわ。組織開発がミッションの人事グループ・組織開発室に所属しているてぃーびーです。

仕事において、何かひとかたまりの取り組みがあれば誰かがリーダーとして振る舞います。

企業によっては、ラインのマネージャーやプロジェクトマネージャーなど「公式のリーダー」がリーダーシップを発揮します。企業によっては公式のリーダーかどうかはこだわりなく、リーダーシップを発揮する意志や能力の適正に応じて都度都度別の人がリーダーシップを発揮します。

この記事では、チームでリーダーシップを分け合う「共有型リーダーシップ」についてまとめます。

共有型リーダーシップとは?

共有型リーダーシップ(Shared leadership)とは、複数のメンバーがリーダーシップの役割を共有し、協力してグループやチームを指導するリーダーシップスタイルです。従来の単一のリーダーによるモデルとは異なり、共有型リーダーシップではメンバー間でリーダーシップの役割が分担されます。そして、誰かがリーダーシップを発揮している場合、他のメンバーや公式のリーダーはフォロワーシップを発揮し、協力して取り組むことになります。

例えば、公式のリーダーとしてグループのマネージャーがいたとします。チーム内で新しいメンバーを採用しようとしたとき、単一リーダーモデルではマネージャーが採用を推進すると思いますが、採用への意欲・関心・知識・スキルの高いメンバーの1人がリーダーとして手を挙げたら、採用の推進について権限委譲をし、リーダーシップを発揮してもらい、他のメンバーと公式のリーダーは採用活動のフォロワーとして全力を尽します。このようなケースが共有型リーダーシップの具体例です。

共有型リーダーシップの利点

共有型リーダーシップには以下のような利点があります。

ビジネスのスピード向上

リーダーシップが1箇所に依存しているのと比べて、複数のメンバーがリーダーシップを発揮できるとビジネスのスピードが向上します。

リーダーの育成機会

リーダーシップを分散することは、より多くの人がリーダーシップを発揮する経験を得ることになります。リーダーシップは座学だけでは身につきにくく、経験を通して身につける必要があるため、未来の公式なリーダーを育てる土壌として有効に作用することになります。

また、いきなり公式のマネージャーをするのに比べて小さな単位で挑戦できるため、「失敗可能な挑戦の場」の役割も果たします。

メンバーの視座が上がる

リーダーを経験すると、リーダーの目線を知ることになります。結果としてメンバーとして関わる業務をする際にリーダーを経験した場合の目線で物事を考えることができるようになります。

公式なリーダーの負荷の軽減

リーダーシップを分散することは、リーダーの負荷を軽減することにつながります。
結果として、リーダーが重要なマネジメント業務に使う時間を増やすことができ、回り回ってチームメンバーがリーダーの支援を受けやすくなります。

共有型リーダーシップのために必要な要素

共有型のリーダーシップがうまく機能するためには様々な要素が必要になります。

チームの習熟度

複数のメンバーがリーダーをするためには、チーム内の関係性やチーム仕事の仕方の仕組みが整っている必要があります。また、リーダーを担当できるレベルのメンバーが揃っている必要があります。

チームの個性

複数のメンバーがリーダーをするような状況になるのは、価値観や強みなど、個性が異なるメンバーが揃っているからこそ、という側面があります。採用に強いこだわりがある人。広い範囲の設計改善が上手い人。業務の改善に優れた人。それぞれが異なる人にバラけていると、それぞれにリーダーをしてもらおう、という方向に進みやすくなります。

チームの指針や目標の共有

複数のメンバーをリーダーにするにあたって、最低限の方向性を揃える必要があります。チームの指針や目標を踏まえた上でのリーダーシップを発揮してもらうことで、意思決定のスピードを上げつつ、方向性も揃えることができます。

チームの業務・情報の共有

複数のメンバーをリーダーにするということは様々な活動が並行して動くことになります。
この際に、タスク管理や情報共有が不足してると、それぞれの動きが見えにくくなってしまいます。
業務の状況や手順や知識などの情報をしっかりと共有する必要があります。

チームの相互の信頼

複数のメンバーをリーダーにするにあたって、誰がリーダーになっても他のメンバーからネガティブな反応がでず、前向きにリーダーに協力してもらえる必要があります。その土台として相互の信頼が必要です。

チームメンバーのフォロワーとしての振る舞い

複数のメンバーをリーダーにするにあたって、各メンバーがリーダーを支え、フォローするようなフォロワーシップを発揮できる必要があります。仮にリーダーが自分よりもジュニアな人であったり、後輩であったりしてもです。

ジュニアなリーダーの育成支援

複数のメンバーをリーダーにするにあたって、ジュニアなリーダーへ相談相手になったり、リーダーとしてのふるまいへのフィードバックをするような形での育成支援が必要になります。

公式なリーダーの特徴

複数のメンバーをリーダーにするにあたって、公式なリーダーは以下のような特徴を持っている必要があるでしょう。
  • 権限委譲 - メンバーに前向きに権限委譲できること
  • 謙虚 - 権限を分け与えることに抵抗がなく、必要であればフォロワーとしても振る舞えること
  • 失敗を許容 - リーダーを任せるメンバーの活動に多少の不足があっても経験のために許容できる
なお、必須ではないものの、コーチングスキルがあるとジュニアなリーダーのサポートがしやすいでしょう。

共有型リーダーシップの例

クラスメソッドの人事は人事労務室・人材育成室・組織開発室の3部門に分かれています。

3部門のマネージャーは横並びになっていて、人事領域に関して部門を横断するような取り組みが必要な場合、共同で取り組んでいます。この際に、取り扱うお題によって誰がリーダーシップを発揮し、誰がフォロワーシップを発揮するかは都度変わります。

結果として、この進め方は意思決定や取り組みの活動スピードを高めています。

まとめ

チームでリーダーシップを分け合う「共有型リーダーシップ」についてまとめました。

共有型リーダーシップが実現されている場合、リーダーを担うメンバーは大きな自律性を発揮しているはずです。これは、内発的な動機を刺激しやすく、より仕事にやりがいを持ちやすい状態にもつながるでしょう。

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